ウェブ解析とは
Googleアナリティクスに頼った誤ったウェブ解析
ウェブ解析士として、既存サイトの改善提案を行う事は良くあります。
ここで、良くありがちなのが、Googleアナリティクスのデータをそのままシートに貼り付け、改善提案を行ってしまう事です。
Googleアナリティクスのデータはあくまでデータですので、データをそのままクライアントへ見せるだけでは、サイトの問題点を見つけ、それに対する改善提案をした事には、なりません。
クライアントも知識のある人であれば、Googleアナリティクスの見るべきデータを理解し、どうすれば良いかわかるかもしれません。しかし、大抵の人は、Googleアナリティクスのどのデータを見れば良いかすらわからず、そのデータを見ても、何をすれば良いのか?分かるという事は殆どないでしょう。
サイトの改善提案のポイント
サイトの改善提案や施策を行う為には、下記の3つを考える必要があります。
1. 目標の見直しと設定を行う
2. GA等のアクセス解析によるデータから、1.に対する問題点と改善案を考える
3. 2.を実行し改善する為の施策を行う
これに加えて、運営の段階では、上記のPDCAサイクルを回す事が必要になります。
PDCAについては、後ほど記述します。
サイト改善の為の目標を設定する
先ほど述べた様に、Googleアナリティクスで得られるのは、ただのデータですから、それだけでは何も出来ません。先ずは、サイトの具体的な目標を決定し、その目標達成に必要な指標を選定します。指標とは、下記に示す具体的な数字です。更に、その指標の数値を改善する為に必要な施策を決めていきます。
■KGIの設定
KGI(Key Goal Indicator)は重要目標達成指標です。
事業としてサイトを運営する為の、具体的な目標を設定しなければなりません。例えば、お問い合わせから何件の申し込みを獲得する、通販で幾らの売上を上げる、等です。
サイトのKGIが正しく設定されているか見直し、その達成に向けて運営を行います。
■KPIの設定
KPI(Key Performance Indicator)は、KGIに対する進捗の、定量的な指標です。
具体的にはPVやUU、直帰率やコンバージョン率といった、Googleアナリティクスによって得られる定量的なデータを確認し、KGIに繋がる改善ポイントを探っていきます。
直帰率が高ければ、それを改善する為にはどうすれば良いか?KPIの細かい問題を改善する事で、KGIの達成に向かっていきます。
■KSFの設定
KSF(Key Success Factor)は、KGIやKPIを達成する為に必要な施策などです。
お問い合わせを得る為のLPを作成する、申し込みキャンペーンを行う等、KPIを達成する為に必要な施策を考えていきます。
PDCAサイクルを回す
上記でサイトの目標とそれに対する指標と施策が決まったら、それを実際に行動に移していきます。これを繰り返し行う事で、サイトの問題を改善し、事業の成果につなげて行きます。
具体的には、PDCA(Plan Do Check Action)サイクルを行う事で、改善の改善を重ね、KGIを達成していくのです。大切なのは、「繰り返し」継続していく事です。
例えば、お問い合わせを増やす事がKGIだった場合、KPIはPVとUU、そしてお問い合わせフォームの離脱率だっとします。PVとUUを増やす為に、リスティング広告を掲載し、PVとUUを改善します。更にお問い合わせフォームの離脱率を改善する為にEFOを行い、実際のお問い合わせ数を増やしていきます。
具体的な改善が得られない場合には、再度KPIとKSFの見直しを行います。このサイクルを繰り返し行う事で、KGIを達成していきます。
ウェブ解析で重要な事
Googleアナリティクスをただ導入すれば良いという事はありません。先ずサイトの明確な目標を設定し、その上でGoogleアナリティクスのどの指標が必要か?その数字をどの様に改善していくか、その為には、どのような施策が必要か?それを考えるのが我々ウェブ解析士やサイト改善を行う者の仕事です。これは、WebディレクターやWebデザイナー等その立場に制限はありません。改善提案を行う全ての人に当てはまる事です。
他の仕事でも一緒ですが、何事も、目標を持つという事が重要になってきます。